21日(土曜日)の18時に仕事が終わったあと、スーツ姿のまま塩塚高原展望台に観測に行ってきました。20時に到着すると他のメンバー4人はすでに望遠鏡を組み立て撮影中でした。他にも3台の車がありましたが、そちらは他のグループで、やはり天体撮影を行っていたようです。
他のメンバーの望遠鏡が西の空低空を向いているので覗いてみるとなにやら彗星像が…。西の空に回ってきたSWAN彗星(C/2006 M4 (SWAN))でした。多少透明度が悪かったのですが、白くぼ~っとした姿が見られました。早い時間帯に見られるので子供たちの願望会の良い対象でしょう。
流星が非常にたくさん流れました。私は冷却CCDカメラで撮像していたのでパソコンばかり見ていたのですが、それでも時々星空を見上げると流れていたので、かなりたくさん流れていたはずです。私でも30個くらいは見ているので、デジカメで撮影していた仲間は少なくても100個は見ているはずです。輻射点を追ってみるとオリオン座付近でした。オリオン座流星群だろうなと思いながら観望したのですが、帰ってきてから受信したメールでは、「輻射点はいっかくじゅう座にあり、……」と新しい流星群の可能性が書かれていました。大昔にこの付近を彗星が通過していたのかもしれませんね。
いつもは彗星の観測がメインなんですが、今回の撮影で最も時間を使ったのはM1(かに星雲)です。ウェッブページに少しはカラーの美しい画像を飾りたかったからです。CCDが白黒なので、3色(赤、緑、青)のフィルターをつけてそれぞれ別々に撮像します。それをコンピュータ上で3色合成してカラー画像を得るわけです。基本になる白黒画像を3枚撮像し、赤色は良く写るので1枚、緑は少し感度が低いので4枚、青色はきわめて感度が低いので8枚撮像しました。1枚あたり1分露出ですが、追尾精度が悪いので何度も取り直し、結局1時間かかってしまいました。下にそれらを合成し作成したカラーのM1を掲載します。それなりに美しいのですが、反省点は多々あります。
(つづく)
M1(かに星雲・超新星爆発の残骸)
2006年10月21日撮影 LRGB合成カラー
L画像3枚、R画像1枚、G画像4枚、B画像8枚
合計露出時間16分
0.20-m f/6.3 Schmidt-Cassegrain + BT-10
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.